トイレの水を流すと便器内に水が溜まっていき、
時間が経過しても水かさが引いていかない。
便器内の水位は上がったままで嫌な臭いもする…。
これらはすべて、トイレ詰まりの際に見られる代表的な現象です。
突然のトイレ詰まりに焦ってしまい「このまま直らなかったどうしよう…」
と不安に襲われる方も多いでしょう。
しかし、軽度のトイレ詰まりであれば自力で対処できる可能性があります。
今回の記事では「トイレの詰まりの原因」を詳しくご説明すると共に、
プロが完全ガイドした「自力での緊急対処法」と、
当社で対応した「トイレ詰まり修理事例」をご紹介していきます。
トイレの構造を理解する
まずはトイレの構造を理解しておきましょう。
トイレの便器内は常に一定量の水が溜まるような構造になっており、
下水管からの臭い上がりを防いだり、害虫の侵入を防いだりする役割を果たしています。
一定量の水が溜まっている状態を維持できるよう、
便器内の排水経路は”カーブ状”になっているのが特徴です。
しかし、大量のトイレットペーパーを一気に流したり、
固形物を流したりしてしまうと、カーブ部分を流れきらない現状が発生します。
これを「トイレ詰まり」と言い、便器内・排水管どちらでも詰まりは起こります。
トイレが詰まると、場合によっては何時間経っても水が引いていかないでしょう。
これは、カーブに詰まっている原因物が水の流れを塞いでいる為に起こる現象です。
原因物を取り除かないことには一行に水は引いていきません。
焦って水を流しつづけると便器から水が溢れてしまうので注意してください。
トイレ詰まりが起こる原因
トイレ詰まりが起こる原因は、大きく分けると2つに分かれます。
それぞれ詳しくご説明します。
原因①:モノが詰まっている
「トイレに流せる」「水に溶けやすい」と書いてあっても、
トイレットペーパーや掃除用シートを流し過ぎると、
トイレ詰まりの原因になる可能性があります。
こどものおもちゃ、スマートフォンなどはもちろん。
流せると勘違いされやすい生理用品・おむつなどを流してしまった場合も、
トイレ詰まりの原因になるため注意しましょう。
また、あまり知られていないのですが…
カップラーメンのスープをトイレに流す行為も危険です。
スープに含まれる食用油が排水管内に蓄積し、
かたまりとなってトイレ詰まりを引き起こす原因になります。
たとえ少量でも、残飯は正しい方法で処理するよう心掛けましょう。
原因②:排水管にトラブルが起きている
トイレットペーパーや固形物を詰まらせたわけでもないのに、
トイレの水が流れず、引いてもいかないという場合には…
排水管自体にトラブルが起きている可能性があります。
原因①でも紹介したように、油も原因となりますが…
洗剤カスも排水管に蓄積してつまりの原因となる可能性があります。
また、尿に含まれる尿素・たんぱく室なども細菌によって変質してかたまるので、
詰まりの原因になるといえます。
排水管の奥深くに、長い時間をかけて蓄積されていくので注意が必要です。
「自力での緊急対処法」をプロが完全ガイド
ここからは、プロが完全ガイドした「自力で出来る緊急対処法」をご紹介します。
軽度のトイレ詰まりであれば効果が期待できるアイテムをです。
① ラバーカップ(スッポン)
トイレ詰まりを解消するアイテムは?と考えるとき…
ラバーカップ(スッポン)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ラバーカップ(スッポン)は、
ホームセンターや100円ショップでも取り扱っており、
比較的手に入りやすく、一般の方でも使いやすいアイテムです。
トイレ詰まり解消アイテムとして長年愛用されており、
細菌はツバ付きのラバーカップ(スッポン)も登場しています。
使い方はツバの有無に関わらずどちらも一緒です。
イラスト画像のように、ゴム部分で便器底を覆い、
押したり引いたりを繰り返して便器内に空気圧を送り込みます。
送り込まれた空気圧が、詰まりの原因物を流し出すという原理です。
便器から水が溢れだしそうな場合は、事前にバケツやペットボトルなどで水を汲み上げて、
水位を下げておくと良いでしょう。
ラバーカップ(スッポン)は「引いて使う」という内容を、
インターネット上ではよく見かけますが、
トイレットペーパーや便が詰まっているのであれば、実は…
「勢いよく押して使う」方が効果的な場合があります。
② 真空式パイプクリーナー PR8700-L
ラバーカップ(スッポン)以外のアイテムでは、
真空式パイプクリーナー PR8700-Lという商品も優れものです。
原理はラバーカップ(スッポン)と同様で、
空気圧を送り込んで詰まりの原因物を押し流すというものですが…
真空式パイプクリーナー PR8700-Lは、より強い空気圧を送り込めます。
真空式パイプクリーナー PR8700-Lの使い方も非常に簡単です。
ゴム部分を便器底に押し当て、押し当てたまま上部についている
ハンドりを押したり引き上げたりすると…
空気圧が便器内に送り込まれる仕組みになっています。
また、ラバーカップ(スッポン)の使用時と同様に、
水が溢れそうな場合は、事前にバケツやペットボトルなどで、
水を汲み上げて水位を下げておくよう注意してください。
真空式パイプクリーナーはホームセンターで売られていますが、
ラバーカップ(スッポン)に比べると取り扱い店は少ないでしょう。
しかし、効果は大なのでトイレ詰まりを解決するために購入をお勧めします。
当社のトイレ詰まり修理事例
ここからは、当社で対応したトイレ詰まりの修理事例をご紹介します。
問い合わせから訪問まで
築年数10年近いマンションに住むお客様から、
お電話にて下記のようなご相談をいただきました。
「トイレットペーパーや固形物を詰まらせたわけではないのに、
トイレが詰まってしまった。
1時間以上経っても水が引いていかず困っているから修理に来てほしい」
とのことでした。
トイレに異物を流したわけではないことから、
尿石やスケールが原因でトイレ詰まりが起きている可能性がありました。
実際に詰まりの原因が何かを確認するために、すぐにお客様宅へ向かいます。
訪問時の対応
お客様宅が近かったため、1時間以内に訪問できました。
お客様の許可を得て便器を取り外して、
トイレの排水口を見ると、尿石やスケールとは別の、
油汚れのようなものが排水管にべったりと付着していました。
お客様に詳しくお話を聞いていくと、
病気の関係で長年トイレで嘔吐しているとのことでした。
嘔吐物は水に溶けづらく油も含まれているので、
排水管に汚れが付着しやすい性質があります。
長年の蓄積でかなり厚いかたまりになってしまっていたため、
トイレ詰まりが起きてしまったのだと判明しました。
お客様に詰まりの原因を説明し「高圧洗浄」を行う必要があると説明しました。
併せて見積書を提示したところ、ご納得いただけたので修理作業に入ります。
修理の様子
今回の場合、真空式パイプクリーナーのような…
空気圧を送り込む解消法に効果がないと判断できる場合「高圧洗浄」を行います。
排水管に厚くこびりついた汚れを、強力な水圧で済み済みまで取り除きます。
今回のお客様宅は築年数が浅かったため高圧洗浄を行えましたが、
築年数が経っているお家では注意が必要です。
当日は専門スタッフが排水管の老朽具合を見て、
高圧洗浄が行えるかどうかを判断いたします。
(高圧洗浄以外の修理方法も多数あるのでご安心ください)
修理後の様子
高圧洗浄を行い、排水管にこびりついた汚れをきれいに取り除くことができました。
確認のため、お客様にトイレのレバーを引いてもらったところ、
問題なく水が流れることが確認できました。
今回のトイレ詰まりの修理は完了です。
まとめ
今回は、トイレ詰まりの原因と対処法、当社事例を詳しくご紹介しました。
軽度のトイレ詰まりであれば、ホームセンターで手に入るアイテムを使って
自力で対処できるものの、無理矢理行うと詰まりが酷くなってしまう可能性があります。
そんなときは1人で悩まず、お気軽に当社へご相談ください。
詰まりの原因が分かっている場合も、分かっていない場合も対応いたします。
どうぞお気軽にお声がけいただければと思います。