寒い季節に欠かせないホッカイロ(使い捨てカイロ)。便利なアイテムですが、誤ってトイレに落とし、そのまま流してしまうトラブルが意外と多く発生しています。
カイロの中身や袋は水に溶けず、トイレ便器内や排水管内で詰まりやすいため、放置すると大掛かりな修理が必要になることも。
今回は、使い捨てカイロを流してしまった際の対処法や、カイロを水に浸すとどうなるのかを検証した実験結果をご紹介します。
【使い捨てカイロ編】トイレの排水詰まりの修理方法
トイレの排水詰まりの原因はさまざまですが、ホッカイロのような水に溶けない異物を流してしまった場合は、早急に取り除く必要があります。
カイロは高確率で配管内で詰まり、放置すると排水機能が完全に停止する恐れがあります。 そのため、できるだけ手前の配管で異物を取り除き、被害を最小限に抑えることが重要です。
しかし、すでに便器内部へ流れ込んでいる場合、詰まりの位置によって対応が異なります。 便器内で詰まっていれば比較的簡単に取り除けますが、床下や壁内部の排水管まで流れてしまうと、大掛かりな作業が必要になる可能性があります。
配管の奥まで流れてしまった場合の修理方法は以下のようになるかと考えます。
- 便器の脱着を行い、排水口の奥に異物がないか確認
- ワイヤー式の管内カメラを使い、詰まりの位置を特定
- 高圧洗浄やワイヤー工具を使用して異物の取り出し作業
- 上記で修理ができない場合は、床や壁の一部を開口して配管の一部を切断。異物を取り除く(状況によっては切断・交換が必要になる場合も)
トイレ詰まりを防ぐために!流してはいけないもの一覧
トイレには「水に溶けるもの」以外を流さないことが大原則です。
薄いものや小さいものだから流れるだろうと、ティッシュやおしりふき、油、食べかすなどを流すのは絶対にやめましょう。トイレを詰まらせないためにも、普段から「流していいもの」と「流してはいけないもの」を意識して、トラブルを未然に防ぎましょう。
具体的にどのようなものがダメなのか具体例をあげてみました。
種類 | 具体例 | 配管詰まりを引き起こす理由 |
水に溶けない紙類・布類 | ティッシュ・キッチンペーパー おしりふき 紙おむつ | →水に溶けにくい →水に強く排水管にこびりつく →吸水し膨張するため配管を塞いでしまう恐れがある |
食べ物、油類 | ご飯や麺類(うどんなど) 野菜くず・果物の皮 チキンや魚の骨 | →水に浸ると粘り気がでて詰まるリスクあり →分解されにくく詰まりの原因に →配管内でひっかかる可能性があり詰まりの原因に |
プラスチック・固形物 | 使い捨てカイロ | →袋や中身の鉄粉や活性炭が水に溶けず詰まる恐れ |
ペット用品 | 猫砂 ペットシーツ | →水に触れると固まるため詰まりの原因になる →サイズが大きく、吸水すると膨張するため詰まる可能性が高い |
使い捨てカイロでトイレ詰まり!自力で直すor業者に頼む?
業者に頼むべきタイミングとは?自力で直せるかの判断基準
自己対応が難しい場合や、異物の除去ができない場合は、速やかに専門業者に相談しましょう。
早期に対処することで、配管の損傷や大掛かりな修理を防ぐことができます。
具体的な判断基準は以下の通りです。
・手の届く範囲、目に見える範囲にない場合
・流した異物が水に溶けないもの(ホッカイロ・生理用品・おむつ・プラスチックなど)
・異物を流してしまったが、どこにあるかわからない(奥の配管に詰まっている可能性)
・マンションなどで下の階への水漏れが心配な場合
・時間が経つにつれて悪化している(完全に水が流れなくなったなど)
・水を流すたびに便器の水位が上がってくる・あふれそうになる
・水を流すとゴボゴボと異常音がする(配管内の空気が押し出されているサイン)
自力で直せるかの判断基準
今回のケースは、使い捨てカイロを誤ってトイレに流してしまったことによる配管詰まりです。正直に言うと、自力でできる対応は限られています。
その理由は、使い捨てカイロは非常に詰まりやすく、異物そのものを取り除く必要があるためです。無理に取り出そうとすると、かえって異物が奥へ押し込まれ、状況が悪化してしまう可能性が高いのです。
特に、便器の奥で詰まっている場合は便器の脱着作業が必要になるため、自力での対応は困難です。
そのため、手の届く範囲で異物を取り除けない場合は、無理をせず、専門業者へ依頼することを強くおすすめします。
水道業者の正しい選び方
水道業者を選ぶ際は、水道局指定工事店であることを確認すると安心です。 これにより、適切な技術と許可を持った業者に依頼できるため、安心して修理を任せることができます。
また、無料で見積もりを実施している業者を選ぶのもポイントです。
事前に見積もりを提示し、納得した上で修理を進めてくれる業者であれば、修理後に想定外の高額請求を受ける心配を防ぐことができます。 依頼する前に、見積もりの有無や料金体系が明確かどうかを確認すると良いでしょう。
詰まりを悪化させるNGな対処法
トイレが詰まった際、多くの方が「何度も水を流す」「ラバーカップで繰り返し圧をかける」といった対処をしがちですが、異物が詰まったケースではこれらの行動が状況を悪化させる可能性があります。
どちらも詰まった使い捨てカイロを配管の奥へ押し流してしまうリスクが高いため、避けるべきです。 水溶性のものなら押し流す対処が有効ですが、使い捨てカイロの場合は逆効果となるため、慎重な対応が必要です。
流した直後は問題がないように見えても、そのまま放置するのは非常に危険です。時間が経つと配管内で詰まりを引き起こす可能性が高いため、できるだけ早く取り除くことをおすすめします。
本当にあったトイレ詰まりの体験談—カイロを流した結果とは?
Aさんは誤ってズボン後ろに挟んでいたカイロをトイレに流してしまいました。当時は詰まりは起こらず「流れていったから大丈夫だろう」とそのまま放置。
しかし、1週間後に突然トイレの水が流れなくなり、何度水を流しても便器の水位が上昇する事態に。 ラバーカップを試しても改善せず、業者に相談することに。
調査の結果、カイロは便器を通過し、床下の排水管の曲がり角で完全に詰まっていることが判明。 便器を外すだけでは取り除けず、最終的に配管の一部を切断し、異物を除去する大がかりな作業が必要となりました。
修理費用は通常の詰まり除去の数倍に。「あの時すぐに対応していれば…」と後悔しても遅い状況でした。
正常な状態のトイレ排水管の場合は、このような状態になることは稀だと思います。しかし年数が経過して排水管の内部が狭くなっていると、ホッカイロが引っかかって作業をしても取り出せず流れていかないこともあるのです。
カイロのような水に溶けない異物を流した場合は、たとえ詰まっていなくても、すぐに対処することが重要です。
使い捨てカイロを水につけたらどうなる?実験&解説!
使い捨てカイロを誤ってトイレに流してしまった場合、排水管内でどのように変化するのか気になりますよね。そこで、実際にカイロを水に浸し、その変化を観察しました。
まず、使用前のカイロの袋を開けて中身を確認すると、さらさらとした粉状でした。
しかし、使用後のカイロを開けると、粉状だった鉄粉が酸素に触れ酸化したことにより1.0〜1.5cmほどの固まりとなっていることがわかりました。
次に、袋を開けて中身を取り出したものと、袋を開けずにそのままのカイロの2種類を水に浸し、24時間観察しました。
観察結果
- カイロの中身は水に浸しても固形物のままで崩れにくい。
- 貼るタイプのカイロは、水に濡れても粘着面の粘着力が保持され、排水管に貼り付く可能性がある
- 24時間経過しても袋はふやけたりせず、頑丈なままで破れにくい
- カイロが折り曲がったりしたとしても、横幅は7センチほどになる
この実験から、カイロは水に溶けず、膨張や固着しやすいため、誤って流すと排水管で詰まりを引き起こすリスクが高いことが考えられます。また、カイロが排水管内で曲がったとしても、横幅は約7cmほどありました。 一般的なトイレの排水管は直径75mm(7.5cm)または100mm(10cm)が主流のため、特に75mmの配管ではほぼ完全に塞がる可能性があります。
また、100mmの配管であっても、カイロが変形して広がったり、粘着面が付着したりすることで水の流れを大きく妨げるリスクが十分にあります。
カイロの中身の性質とは?
カイロの中身の成分はメーカーごとに多少の違いがありますが、基本的な仕組みは同じです。
主成分として鉄粉、バーミキュライト、活性炭、塩類などが含まれており、酸素と反応することで発熱する仕組みになっています。
また、一部の商品には、発熱の持続を安定させるために吸水性樹脂を含んでいるものがあります。 吸水性樹脂を含むカイロは、水分を吸収することで膨張しやすいです。
しかし、吸水性樹脂を含まないカイロにも、水分を保持する成分が含まれています。 それがバーミキュライトです。バーミキュライトは保水性を持ち、水分を含むと膨張しますが、紙おむつのように大きく膨らむわけではなく、微量の膨張にとどまります。 そのため、カイロ全体が大きく膨らむことはありません。
ただし、鉄粉が酸化すると硬化し、全体的に固まるため、これが排水管内で詰まりを引き起こす可能性があります。
まとめ
今回は、ホッカイロのような水に溶けないものを誤ってトイレに流してしまった際の排水詰まりへの対処法について、使い捨てカイロの仕組みとあわせてご紹介しました。
排水詰まりは、すぐに問題が発生するとは限りません。 「今は大丈夫」と思っていても、時間が経つにつれて詰まりが悪化し、後々大きなトラブルにつながることもあります。
もし「大丈夫かな?」と少しでも不安に感じた際は、どうぞお気軽にご相談ください。 些細なことでも、お力になれるよう誠意をもって対応いたします。
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