はじめに
私たちの生活に欠かせないインフラの一つである水道。日々、清潔な水を届けるこの仕組みの中核を担うのが、地中に埋められた埋設管です。水道を含め、電機やガスなどでも利用されている重要なライフラインである埋設管ですが、経年劣化により水漏れや破損のリスクも高まっていきます。
埼玉県では、地中に埋まった水道の埋設管水漏れ問題が多発していることが報告されています。なぜ埼玉県でこうした問題が多いのでしょうか? その背景には、地震活動や地質条件といった特有の要因が影響しています。このページでは、その理由に迫るとともに、問題解決に向けた取り組みについても詳しく解説します。
地中に埋まっている埋設管の水漏れ問題が多発する背景
地中の埋設管は普段目に見えないため、問題が発生しても気づきにくいという特性があります。そのため、水道料金の異常な増加や道路の陥没、また、特定の場所で地面が常に湿っていたる、異常な水たまりができているといった目に見える変化が表示て初めて問題が浮き彫りになることがあります。
また、老朽化した埋設管が破裂した場合、短期間で大量の水が漏れる可能性があり、これは水の供給だけでなく、地域の交通や住民生活に大きな影響を及ぼします。
埋設管とは? 埋設管の素材・種類と対応年数・老朽化
あらためて、埋設管についてお話させて頂きます。
埋設管は、地中に埋まっている水道管のことです。屋外に設置されている水道管とはことなり、通常目に触れることはありません。埋設管は金属や樹脂といったさまざまな素材で作られています。こうしたそれぞれの素材には特性があり、また、使用環境や条件によって耐用年数が異なります。例えば、鉄管は30~50年の耐用年数があるとされる一方、住宅配管で多用される鋼管や樹脂管は20~40年程度の耐用年数です。
金属製の水道管の場合は老朽化が進むと、埋設管内部で酸化が進み、サビが拡大します。このサビが管壁を侵食し、最終的には水漏れや破損を引き起こします。また、埋設管の周囲の地層や地中の湿気も腐食の進行を加速させます。特に地表に近い部分では雨水が浸透した土壌や、排水による湿潤環境が管にダメージを与える要因となります。
地層変化と地震の影響
埼玉県は日本列島のプレート境界に近い地域です。このため、地震活動が活発であり、地層の変動が頻繁に起こります。これにより、埋設管が歪んだり接続部分が破損したりするリスクが高まります。
さらに、冬季には気温の変化による凍結と融解が繰り返されることで、管材が収縮と膨張を繰り返し、耐久性が著しく低下することも要因の一つです。
埋設管の引き直し交換の重要性
漏水箇所の簡易修理を繰り返してもキリがないケース
埋設水道管の漏水が発生した場合は、水を使っていない時でも水道メーターが回っているなど、特有の症状があらわれます。
漏水問題が発生した場合、まずは漏水箇所の簡易修理を行うのが一般的です。しかし、老朽化が進んだ埋設管の場合、修理した箇所以外から再び漏水が発生することが少なくありません。
これは、全体の管材が劣化しているため、一部分を修理しても他の箇所で同様の問題が起こる可能性が高いためです。このため、老朽化した埋設管全体を交換する必要性が生じます。
埋設管交換・更新の料金は要お見積り
埋設管の引き直し交換工事の費用は、素材や工法、水道管の長さ、地面の状態より異なります。費用相場としては、全体の水道管の引き直しで25万円〜60万円が目安です。
敷地面積や水道管の長さなどによってかなりの金額差が生じるため、料金は事前の現地調査と見積りが重要となります。
実際の事例 ある住宅街での工事例
問題の発覚
調査の結果、複数箇所で水漏れが発生していることが確認され、原因は長年の使用による管材の腐食と判明しました。
内部の鉄分が酸化して管壁が著しく薄くなり、一部では穴が開いている状態が見られました。特に接合部分では腐食が進行しやすく、周囲の地中環境がこれをさらに悪化させていたのです。

埋設管の水漏れ問題を解決するための水道管交換の重要性‗管材の腐食
解決へのプロセス
- 調査と診断
まず我々は現地調査を行い問題箇所を特定しました。点検作業は周囲に大きな騒音を発生させることなく、1日で完了。結果、素早く見積りの作成ができただけでなく、段階的にいくつもの問題箇所を特定することができました。 - 施工計画の立案
指定給水装置工事事業者である私達が専門的な知識と経験に基づいき、依頼主さまともお打合せを重ね作成施工計画を作成させて頂きました。まず、現場の地形や埋設管の素材・状態、周辺環境などを総合的に考慮し、新しい管材に耐久性が高く環境負荷の少ないポリエチレン管と塩化ビニル管を採用することが決定しました。また、作業時間や周囲住民への影響を最小限に抑えるため、夜間作業の禁止や安全バリアの設置、廃材の適切な処理方法(産業廃棄物として適切に分別・処理することやリサイクル可能な金属部分は再資源化を行うこと)、作業スケジュールも計画に含まれました。水道管
- 施工の実施
工事は以下のプロセスで進められました。天候や周辺環境に配慮しながら、計画通りに進行しました。
- 1. 老朽化した管の撤去
2. 仮設水道の設置
3. 新しいポリエチレン管と塩化ビニル管の敷設
4. 接続部の密閉テスト工事画像
最後に…完成後のチェック
施工後は埋設管に対し、厳格な水圧テストを実施しました。
水圧テストでは、まず交換した埋設管に規定の水圧をかけ、管内に漏れや破損がないかを確認します。通常は専用の加圧ポンプを使用して、埋設管に一定の圧力を加えます。その状態を数時間維持し、圧力が低下しないかを確認します。隠れた欠陥や接続不良は見当たりませんでした。
まとめ
埋設管の引き直し交換は、老朽化した管が引き起こす問題を根本から解決し、長期的な安心をもたらす重要な対策です。特に、地盤変動や厳しい気候条件にさらされる埼玉県のような地域では、定期的なメンテナンスと計画的な更新が欠かせません。
私たちは指定給水装置工事事業者として、地域の皆さまの生活を支える高品質な施工を提供しています。どのようなお困りごとにも、丁寧なヒアリングを通じてお悩みやご要望を正確に把握し、依頼主さまが安心していただける最適なご提案をさせていただきます。工事費用や期間についても、個別の事情に応じて詳細な説明をいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせはお電話でも承っております。また、メールフォームは24時間受付可能で、土日も朝8時から夜20時まで営業しております。迅速かつ確実な施工を心がけており、地域の皆さまの快適で安全な暮らしを全力でサポートします。どんな小さな疑問や不安でも、どうぞ安心してお任せください。